郵政民営化

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2004/0910yusei.html から引用すると、

明治以来の大改革である郵政民営化は、国民に大きな利益をもたらす。
1. 郵政公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険)が有する潜在力が十分に発揮され、市場における経営の自由度の拡大を通じて良質で多様なサービスが安い料金で提供が可能になり、国民の利便性を最大限に向上させる。
2. 郵政公社に対する「見えない国民負担」が最小化され、それによって利用可能となる資源を国民経済的な観点から活用することが可能になる。
3. 公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になる。

だそうです。でも、民営化すれば良質で多様なサービスが安い料金で提供できるという根拠がどこにも書かれていません。ただそうなると書いてあるだけです。国鉄にしても電電公社にしても、民営化されて安くなったとは思えません。独占ではなくなって競争するようになったらからこそ、安くなったのではないでしょうか。ついでに言えばJRが値下がりしたというニュースは聞いたことありませんし、ずいぶんローカル線が無くなったと聞きます。NTTも基本料金を下げたのはKDDIメタルプラスや、日本テレコムおとくラインが登場してからのような気がします。

見えない国民負担が最小化されるというのは、まあそうかもしれません。で、国民の貯蓄を経済の活性化につなげるには、別に民営化する必要なんてないですよね? 公的部門に回しちゃダメ、って決めればいいんですから。どっちにしろ、民間に投資するときに必要な判断ができる人、今の郵貯部門にいるとも思えませんけど。変な資産運用して大損するというのが目に見えるような……。

さらにずっと下の方にいくと、郵便事業会社にはユニバーサルサービスの提供義務を課し、それに必要なら優遇措置を取るとあります。これって、民営化されても健全な競争はさせずに優遇する、って言っているんですか? だとすると、ますますサービス料金が安くなるとは思えないなあ。